人身と物損

交通事故には、お身体にケガが発生する「人身事故」と自動車などの物が壊れる「物損事故」があります(一つの事故で両方が発生することもあります)。

人身事故の場合、まずは治療を受けることとなります。当初、治療費は加害車両の自賠責保険から支払われることとなりますが、これには上限があります。また、保険会社からは治療経過について頻繁に問い合わせの連絡が着ます。どのように治療を続けるか、保険会社にどのように応じればよいか、については早い段階で弁護士にご相談頂いた方が広いアドバイスが可能です。

物損事故の場合、壊れた物の価値が問題となります。例えば、自動車であれば、事故時点での自動車の価値を確認したり、修理代としていくら掛かるかということで見積書を取ったり、というように必要な資料を集めた上で保険会社とやり取りをしなければなりません。

後遺障害

治療をある程度継続すると、完治することもありますが、これ以上治らないという段階を迎えることもあります(これを「症状固定」といいます)。症状固定した時点で残っている負傷状況によっては、後遺障害の等級が認定されるものがあります(後遺障害は第1級から第14級まであります)。後遺障害の等級が認定されると、後遺障害慰謝料や逸失利益などの賠償金を請求することが可能となります。

後遺障害等級の認定を受けるには、後遺障害診断書を医師に書いてもらい、必要な書類を自賠責保険会社に送るなどの申請手続が必要となります。

示談交渉と訴訟(裁判)

「人身事故」ではケガが完治した場合や後遺障害の等級の認定を受けた場合、「物損事故」では壊れた物の価値を示す資料の収集ができた場合、加害者や保険会社との間で示談交渉を行うこととなります。示談交渉を経ても解決に至らない場合には訴訟手続によって解決を図ることとなります。人身事故の入通院慰謝料について加害者の保険会社には①自賠責基準、②任意保険基準、③裁判所基準の3つの支払基準があり、弁護士を選任していないうちは①・②の基準でしか支払いを得られないところ、弁護士を選任すると①・②の基準よりも高額な③の基準での支払いとなるため、この点で被害者の方には弁護士を選任するメリットがあるといえます。
被害者の方がご自身の保険会社の弁護士費用特約に加入している場合には弁護士報酬を当該保険会社が負担するため、弁護士を選任するハードルは下がるといえます。

示談交渉や訴訟は、専門的な知識を持って取り組む必要がありますので、ぜひとも弁護士にご相談ください。また、交通事故は事故発生直後から示談交渉や訴訟を見据えた準備を進める必要がありますので、早い段階で一度ご相談いただくのが良いです。

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